第二章 姫君の行方

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その日の夜はサラに会うことはできなかったが、翌朝学校へ行く前のつかの間会うことができた。 「お医者様が大げさで困ってしまうわ。心配かけてごめんなさいね。エルディア。」 そう言って微笑む姿はやつれ、無理をしているようで痛々しかったが、エルも笑ってみせた。 「あんまり無理しないでね。お母様は我慢強すぎるから」 「そんなことないわよ。さぁ、遅れてしまうわ。早く行きなさい。」 本当は今日ばかりは学校へも行きたくなかった。ずっとサラの側にいて世話役をかってでたかったのだがそんなワガママをいえるはずもない。 「行ってきます…」 しぶしぶカバンを持ってサラに手をふりながら部屋を出た。
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