第三章 王宮へ

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「サラお姉さま、具合はどう?」 遠慮がちなノックのあとサンドラが顔を出した。 サラはこの甘やかされて育った妹を愛しているが、エルディアに対する仕打ちには困惑していた。一度、彼女を傷つけないようにそれとなく注意したことがあるが、泣いて取り乱した後エルディアに対する仕打ちがひどくなったことを知り何も言えなくなってしまった。 (この体がもっと自由になったら他にもやりようはあるのに…) 「だいぶ良くなったわ。心配かけてごめんなさい。」 サラの言葉にサンドラは首をふった。 「なんだかうれしそうね。何かあったの?」 「実はねサラお姉さま。王宮から手紙がきたのよ。」 サンドラの言葉にサラの顔は青ざめた。 「王宮から?」 「ええ、隣国フレッシャー王国の姫君をお招きして舞踏会が開かれるそうなの。」 「まぁ、舞踏会が」 サラはホッと胸をなでおろした。
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