第三章 王宮へ

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その日からサンドラとサーシャは大変なはりきりようで、さっそく仕立て屋を呼んで極上の生地を用意させた。 エルディアは二人の間を行き来しながら様々な準備を手伝わされてめずらしく疲れた顔になっていた。 「エル、あなたももちろん舞踏会へ行くわよね?」 サンドラの問いにエルは少々面食らった。彼女がこんなに優しげに話しかけて来たことなどまずないし、しかも舞踏会へ行かせてくれるなどとはかけらも思っていなかったからだ。 サンドラはエルの返事も聞かずに話し続ける。 「あなたは肌が白いからクリーム色がよく似合うわ。生地はもう選んであるからサーシャの隣で仕立て屋に寸法を計ってもらいなさい。」 エルは言われた通りに行動するしかなかった。
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