第三章 王宮へ

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サラは一人家にのこりながらベッドの中で先ほどのエルディアの姿を思い出していた。 (本当に美しく成長したわ。目や髪の色はカルティス様ゆずりだけれど、あとはリディア様に生き写し) は~っと小さくため息をつくとひどい咳が出てきてしまった。メイドを呼ぶ鈴をならそうと涙にくもった目で手探りでさがしていると、その手に水の入ったコップを渡された。 サラはコップの水を少しずつ飲んで、どうにか咳が止まった所で顔をあげてお礼を言おうとした。が、固まってしまった。 「久しぶりだね、サラ嬢。あまり元気そうとは言えないな」 「何故、どうしてこんなところに…」 サラの手からコップが転がり落ち、目からは先ほどとは違う嬉し涙があふれだす。何度も何度も夢に見た人が目の前に立っているのだ。 「カロフ様…」
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