第三章 王宮へ

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「サラ、私と結婚してください。」 カロフの突然の言葉にサラは驚き、次に笑い出した。 「カロフ様。あなたは私をからかいにいらっしゃったんですか?」 「違う!違うんです。サラ嬢。これが、これがあなたを救う唯一の手段なのです。」 サラはうつむいたまま肩を振るわせて笑っている。 「魔力のある人間は今はもうほとんどいないと言われていますがそれは表に出るものが少なくなったからです。理由はご存知でしょう?魔力のある人間は長寿だからその生き血を飲むと命がのびると世間が騒ぎ始めたからです。 これはただの噂ですが、あながち間違いでもない。 確かに命をのばすことはできます。しかしそれは生き血を飲むなどという物騒なものではない。結婚する相手と婚前に交わすしきたりが間違って伝わったものなのです。」
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