第三章 王宮へ

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屋敷の外から馬のいななく声が聞こえてきた。ザワザワとメイドたちが慌てている声が聞こえる。 「エルさまいったいどうなさったのです?」 「つまらないから帰ってきちゃった。」 階段をのぼる音に続いてノックが聞こえた。 「お母様?」 エルがそっとドアを開けた。 「お帰りなさいエル。」 「さすがは馬術の達人。着くのが早かったね。」 ドアを閉めていたエルは背中からかけられた言葉に驚き、バッと振り返った。 「やぁ、お帰り。」 「あなたは…何故ここに?」 「その言葉は今日三回目だな。」 ニコニコと微笑む姿にエルは多少ひるみながらサラのベッドへ近づいた。
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