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「あの馬は頭のいい、良い馬だろう?」
カロフは動揺しているエルに微笑みかける。
「お母様。この方と知り合いなの?」
「ええ、もちろん。」
「私はサラの婚約者だよ。いや、正しく言えば婚約者になる。かな」
カロフの言葉にエルは大きく目を見開いて固まった。
「私の何十年間の片想いがようやく実を結んだのよ。」
サラのほがらかな声にエルはさらに言葉を失った。
「驚くのも無理はない。彼女と私の年の差は親子以上に離れているのだから。」
「そんな言い方はずるいわ。魔力持ちの年の数え方は普通とは違うもの。」
「魔力持ち?」
エルは新たな衝撃でやっと話す力を取り戻した。
「カロフ様はあなたのお祖父様の親友であり、あなたのおばあさまのお兄様でもあるのよ。」
「つまり、あなたは私の伯父様?」
「そういうことになりますな。」
エルは目を白黒させながらサラとカロフを交互に見つめる。
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