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「うむ。」
カルティスは机の上で手を組み合わせ、ゆっくりと口を開いた。
「実はこの婚姻を取り決めたのは父上なのだ。」
「先代が?」
さすがに驚いた様子のカロフにカルティスは静かにうなずいた。
「八年前。
父上は体調を崩し、ほとんどの職務を私たちにたくしていたにも関わらず我が国で行った三国会議に出席すると無理に起きてきたことがあっただろう。
あの時、私は会議に同席させてもらえなかった。
中庭でロイド王国の姫君の相手をするようにと言われたのだ。
日頃、職務を任せているのに公の場では同席させないなんてと私はひどく機嫌が悪かった。
中庭に姫君が現れても私は無愛想だったと思うね。」
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