第三章 王宮へ

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「これでいいんでしょうか?」 再びエルが部屋に戻り、あれこれ抱えてきたものを広げる。 「ありがとうございました。最後に部屋の鍵をかけてください。」 鍵がかかるとカロフは床にクッションを二つ向かい合わせに置き、間にロウソクを一本ずつ立て、さらにその間に一枚の紙を置いた。 エルはサラの手に家紋の入った指環をはめる。 カロフはロウソクに火をつけるとベッドへ歩みより、サラの手をとって起き上がらせた。エルは止めに入らなければと思ったが、何故か体が動かない。 カロフはサラを立ち上がらせ、クッションの上にひざまずかせた。 「始めよう。」 静かに宣言してからエルには理解できない言葉で誓いをのべはじめた。
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