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「ではお気をつけて。」
ニコニコと手をふるカロフに見送られてエルは一人、豪華な馬車に揺られていた。外の景色はまるで風のように飛び去っていき、あっという間に城についてしまいそうだ。エルはまだはっきりしない頭で外を眺めながら胸元に隠れている石を取り出した。薄い水色と青、透明も混じっているような不思議な石は光にかざすと星の集まりのようにキラキラと輝く。
「さっきこの道を通ってから何年もたった気がする。」
エルは石をしまい、窓から顔を出した。城はもう見え始めている。城へ続く道は光に照らし出されて輝いているようで、闇の中にある光のすじのようだ。
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