第三章 王宮へ

27/34
前へ
/844ページ
次へ
コツコツと響き渡る靴音をききながらエルの頭は次第に霧が晴れていくようにはっきりとしてきた。 家来は一つの扉の前で立ち止まるとエルを中に通して一礼して出ていった。 「待っていればいいのかな?」 エルは首をかしげながら部屋の中を見回した。部屋には家具は少なく、大きな長椅子が2つ向かい合って置かれ、壁には大きな鏡が一つとその前に豪華な花が飾られている。 「すごい部屋。さすがお城はこんなあまり使われなさそうな部屋にも気を配ってるんだな…」 その時、そとから小さな足音がパタパタと近づいてくるのがきこえ、扉が小さく開いた。
/844ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4125人が本棚に入れています
本棚に追加