第三章 王宮へ

30/34
前へ
/844ページ
次へ
エルは言われるがままに長椅子の端に腰かけた。 何故か女の子。いやお姫さまも騎士の後ろから駆け出してエルの隣に腰をおろす。騎士はどうすべきか迷っているようで扉の前に立ちはだかったままだ。 「さて、エルディア嬢。」 男性もエルの向かいに座ってこちらに微笑んでみせた。 「お待たせしてしまい申し訳ありませんでした。ロアン・ディールです。カロフからの伝言を預かっていらっしゃるとか。」 「はい、」 エルはずっと握りしめていた筒の中から巻物を取りだして渡した。 ロアンはそれを広げて眉をひそめながら読み始めた。 「ロアン先生は私の先生なの。とっても偉い人なのよ。」 お姫さまがエルの腕に手をかけて話しかけてくる。
/844ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4125人が本棚に入れています
本棚に追加