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ようやく街を出発し、疲れきっていた顔を生き生きとさせたジョンを先頭にルタ、ケンと続く。
街に入る前に姿を見せた他の人間は景色に溶け込んだように姿は見えないが付かず離れずそばにいる気配がある。
「気合い入れて走りゃ夜中には着くけどよ〜」
ちらっとルタを振り返りながらジョンがケンに呼びかける。
「あらそう、じゃあここであなたとはお別れね。お気をつけて。」
ジョンは口をへの字に曲げてケンを振り返る。
懇願するような目を向ける彼に向かってケンは首を横に振った。
「俺たちは今、ルタ様の供だ。
お側を離れるわけにはいかない。」
「言うと思った。」
ジョンはイライラと馬を早め、二人から距離を広げた。
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