第三章 王宮へ

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「ほほぅ。」 ロアンは面白そうに二人の様子を眺めた。 「あなたはあのカロフがほれ込んだサラ嬢の娘さんですね。」 「実の娘という訳では…」 「知っていますよ。」 「ええ!」 あっさりと答えたロアンにエルは驚きを隠せない。 「カロフから話しは聞いていますから。なるほど、いやしかしシシー様の騎士になるというのはよい案だ。」 ロアンは勝手に深くうなずいて納得している。 「私からカロフに手紙を書きましょう。」 「ちょっと待ってください。」 エルが止めようとしてもまるで聞いていないようにロアンは手紙をしたためた。 「だってあなたは騎士になりたかったんでしょう?」 「そんな事一言も言ってません。」
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