第三章 王宮へ

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「しかし、町会警備団の入団希望者の中に君の名前をみたことがある。」 エルは少しずつ二人から離れ始めた。 「一体なんなんですか、何故そんなに調べがついて…」 「当たり前だ、私は全く調べのついていない人間と軽々しく会うほどおろかではない。」 「言ったでしょ?ロアン先生はとっても偉い人だって。」 エルは目には見えない威圧感に押しつぶされそうだった。 ロアンはエルの戸惑いに気づいているようで、明るく話題を変えた。 「まぁまぁ、そんなに緊張しないで。シシー様、そろそろ会場に顔をだす時間ですよ。ギル、君はエルディア嬢のエスコートを」 そう言ってシンシア姫の手をとり、さっさと出ていってしまう。後には苦い顔をした二人が取り残された。
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