第四章 フレッシャー王国

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「まじない?」 エルは聞き慣れない言葉に首をかしげた。 「まぁつまり魔法の一種ですね。シンシア姫は生まれつき先読みの力を授かっていて、私の魔法と組み合わせて様々なまじないや魔法を練習しているんです。」 「それは、つまりお二人は魔力持ち?」 「「そういうこと(ですね。)」」 「ロアン先生は魔力持ちの最年長で、一族の様々な管理や監視役をしているのよ。」 エルはまじまじとロアンを眺めたが、どう見ても30代ぐらいにしか見えない。ロアンもエルの疑問に気付いているらしく。 「私はカロフのように律儀に姿を周りと合わせたりはしていないのですよ。あいつは人を騙しているようで気が引けると言って年相応の姿にしていますがね。」 「それが自然の流れだからですよ。」 声がしてエルの背後からカロフがサラをつれて現れた。 「カロフ様!お母様!」 エルはサラに歩みよってその手をとる。 「元気になったのね?顔色が全然違うもの。」 エルの言葉にサラは嬉しそうにうなづいた。
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