第四章 フレッシャー王国

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喜び合う二人とはうってかわり、カロフは渋い顔で筒状の手紙をふってみせる。 「ロアン殿、なんですかこの手紙は。」 それはまるでふざけたレポートを提出した学生と困惑した教授のように見える。 「すばらしいだろう?私はとてもいい運びになったと考えている。」 「いくらエルディアが武術に長けた子だからと言って、いきなりフレッシャー王国の騎士にするなどと…」 「フレッシャー王国の騎士ではないわ。私の騎士になるの。」 カロフは声の主を見つけると急いでひざまずいた。 「シンシア姫さま。お久しぶりです。」 「お久しぶりです。カロフ。今回の話しは私と先生のまじないによって定められたことなの。」
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