第九章 偽りの歴史

22/63
前へ
/854ページ
次へ
その日の夜。ベッドに横たわり考えごとをしているエルの元へクロスが舞い降りてきた。 「明日、賢者の塔へ行くんだろう? いいなあ、あそこには貴重な書物が山ほどあるんだ。色々調べてこいよ。」 「クロスも一緒に行こうよ。なんなら荷物の中に入れていこうか?」 起き上がりながら言うと、クロスは膝の上に着地して羽をバタつかせる。 「俺様を荷物と一緒にする気か?おあいにくさま。俺も色々忙しいの。子守についていけないよ。」 クロスの言葉にエルは笑いながらクチバシをはじく。 「しっかり護衛しろよ~」 クロスは窓から飛び出していった。
/854ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4133人が本棚に入れています
本棚に追加