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「訳解らねぇ………」
その時
生まれてから今までで、一度も味わったことのないほどの恐怖と寒気が襲ってくる
説明ではその恐怖を伝えられないが
1秒後殺される、と思うぐらいの出来事が自分の真後ろに“存在”する。
その存在の、まるで視線の様な圧力に自分の細胞から血液から身体中を、何もかも切り刻まれる様な…
「助け…て………」
声も、ろくにでていない
必死に迫り来る恐怖から逃げようとする
走る……走る……
人間の身体の作りというのは、この様な時、気を失う、腰が抜け崩れ落ちる、逃げようとする、などの行動をとる
このとき自分のとった行動は
とにかく逃げることだった
「…………………」
無我夢中でただ走るのだ
パニック状態が極限まで達し、自分の意識は完全に消えかけている
すると、自分の前に立っている自分がいなくなった
「ん………?………
………ど………う…
な…………っ……て
…………る…………
…ん…………だ……」
気付くはずもないだろう、自分の目の前にいた自分に自分の意識が入ったのだ………
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