第1章 ギールの街

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第1章 ギールの街

  ーーーーーガラガラ ーーーーーガッ・・・ガラガラ... 荒れた野道を進む馬車 此処リュシオン島は野性のモンスターが数多い 綺麗に整備された道等数少ない・・・ 「もうすぐギールの街だぜ。石壁が見えてきた」 馬車の運転手は、荷台にチラッと視線を向けて叫んだ 荷台には沢山の食糧が積んであり、その荷物に紛れて青髪でミディアムレイヤーの女が座って居た 女は運転手の声につられるように、馬車の荷台から顔を出した 「あれがギールの街?」 女の目に入ったのは、高く大きな石の壁と門 「あぁ。姉ちゃん騎士団員になるんだろう、頑張れよ」 男は馬車の速度を緩めながら言った 段々と石壁と門が大きくなっていく 馬車の音に気付いて、門から数人の鎧兜の人々が出て来た 悠久の騎士団員達だ 馬車は門の前でゆっくり止まると、騎士団員の一人の男が運転手に話しかけた 「ご苦労だったな、ルーカス」 「良いってラウル。食糧が無くっちゃ、俺達も生きていけないからな」 ラウルと呼ばれた鎧兜の男は、ルーカスと呼んだ馬車の運転手に微笑を浮かべた 「・・・隣の女は?」 「あぁ、運搬船で預かったんだ。荷物と一緒にギールに運んでくれって。騎士団に入団したいんだと」 女は馬車から降り、ラウルの前で姿勢を正した 「キルキと言います。悠久の騎士団に入団したく来ました」 「入団希望者か・・・・・・街に入るが良い」 ラウルはキルキと名乗った女をゆっくり見ると、門を指差した 「有難うございます」 「姉ちゃん頑張れよ!また会ったときはよろしくな」 ルーカスは騎士団員達と荷物を馬車から下ろしながら、キルキに向かって叫んだ キルキはニッコリと微笑みながら、ルーカスに手を振ると、門をくぐった...
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