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権八
「俺は綾を忘れたことはねぇ!?お前が売り飛ばされたあの日から…一時も…。遅くなってすまねぇ。今までずっと金を貯めてたんだ。ほら…こんだけあればお前を身請け…」
渚
「これじゃ、姐さんを一晩買う事しかできないでありんす」
雛菊
「権八さん…。……お帰り下さい!」
権八
「そんな…。どうにか…どうにかして金を作る!?だからそれまで…」
雛菊
「私は綾ではありません。もう二度とお越しくださらないでくださいまし」
権八
「何言って…」
雛菊
「ふぅ…あなたみたいな田舎農民なんて、私には似合わないと言ってるんです。私はここで太夫(ダイユウ)にまで昇りつめた。あなたもこの私が買えるくらいの出世をしなさい。できるものなら…くすくす」
権八
「そ、そんなの出来る訳が…ねぇよ…。お前は、変わっちまったのか綾…?」
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