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ぽたん
とひとつ、落ちた。
心地よい沈黙に時折響いては、ほどよい緊張を醸すその一滴。
やんわり微笑むと、そんな彼と湯槽で背中合わせで、問うた。
「なに笑ってんの、戒くん」
濡れてぺたんと寝た髪を弄りながら、麗は怪訝な顔。
「別に」
ぴしゃん、と湯を弾いて、戒は肩まで深く湯に浸かる。
「麗くんはいつまでダブルラインなのかなぁって思って」
「はぁ?うるせぇ、余計なお世話だしっ」
狭い浴槽で二人きり。仲が良いのか悪いのか…
「ま、麗くんはすっぴんでも充分綺麗なんだけどね」
「だろっ?わかってんじゃぁん」
「そういうとこガチでウザいよね」
調子こいて鼻高々な麗に戒は苦笑。
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