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電話一本で済む用件だろうと思った。
父を好いていた兄の事だもの。
私が携える報せを聞けば、直ぐに村へと戻ってくる筈。
けど、村のババア共が私に言った。
兄の側に邪魔者がいる。
そいつらが兄の帰還を妨害するやもしれぬ、と。
私はババア共に問うた。
「その邪魔者って…女性ですの?」
「フン…ならば何とする、陽葉?」
「………必要とあらば消しますわ」
そう。
兄の側に女性が侍っている事を想像するだけで、虫酸が走り、憎悪が溢れ出してくる。
本来、兄の側にいるべきなのは私なのに。
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