monolog:陽葉

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電車に揺られながら、窓の外を見る。 景色の移り変わりが、兄の下に近付いている事を教えてくれる。 もうすぐ兄に会える。 あの優しい笑顔を久し振りに見る事が出来る! それを想うだけで表情が緩んでしまう。 「お に い さ ま 」 窓ガラスに一文字一文字指で綴りながら、兄への想いを確かめる。 頭を撫でて欲しいな。 ギュッて抱き締めて欲しいな。 陽葉、暫く会わない内に綺麗になったな、と言って欲しいな。 そんな妄想が頭の中を駆け巡る。 そして、電車は兄の住む学園都市へと着いた。
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