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駅から出て、兄の住むマンションへと向かう。
こう見えても家は金持ちだから、かなり良い所に兄は部屋を借りているのだ。
その途中――
「あらあ、おネエちゃん一人?」
「地図を持って何処へ行くのかなあ?」
「案内してあげよっか?ヘヘヘ…」
イヤらしい顔をした男共が私を取り囲む。
その魂胆は見え見えだ。
「…結構ですわ。退いて下さいませ」
私は男共を躱して、その場から離れようとした。
「冷たいねえ。そうツンツンしないでさ」
男の一人が私の行く手を遮る。
「おネエちゃん、綺麗な髪だねえ。俺、ロングヘアーの娘、好みなんだよなあ」
男が私の髪に触れた時、導火線に火が着いた。
「さわるなっ!」
私は髪に触れた男の顔に肘鉄を打ち込んだ。
「ぐはあっ!」
手応え有り。
鼻骨が折れたかな?
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