prolog

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…暗い宵の最中で、湿り気のある暗い地へと背いた理由はそこにある。 “カイホウ”を妨げる封印と放射。 螺旋状のそれは辺りを強く固め、固定した。 …出来る。 あと少しで出来るんだ…。 男は糸を引きながら、それをたぐい寄せ…胸元に当てた。 空白の時空間を生み出していく。 それを、また埋めていく。 …出来る。 やっと念願の存在が手に帰ってくるんだ… あの時の…「自分」が。
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