一章

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学校に行こうと適当に身支度をして家を出ようとしたところで、ふと思い出す。 今朝の、出来事を。 履きかけていた靴を脱ぎ部屋に戻る。 夢かと思っていた。それどころか忘れかけてさえいた。 急いてドアをあければ、変わらずない状態で机の上に今朝の手紙があった。 持ち上げて、手紙の表面を触ったところでようやく現実味おびてきた。 学校なんて、行こうとしてる場合じゃないんじゃないか。 僕は学校用の鞄を投げ捨て、ベッドに寝転んだ。手紙を電球に透かし、物思いに耽る。 正直、狐に化かされているような気分だ。今はしっくり来ないが、今朝僕は確かに何かを分かっていた。 んんん、いまいち今朝の事が夢だったかなんだったか割り切れない。 しかし手紙がある以上、夢なわけは、ないのだが。  
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