―落としもの―

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―落としもの―

 まだ僕は分からないのに  人々は歩きだした。  まるで分かっているように  でも,それは僕にとって早すぎた。  だけど  置いていかれないように  必死で追い掛けた。  その時に溢れ落ちたモノなんて  気にする暇はなかった。  落としたモノが  何だったかさえ分からないくらい  急いでいるから。
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