虚

欠

日常の欠落はとまることはなかった

おもしろいとおもった。

他の人は気づかないのだろうか？

電車で僕の前の席が空いていることを。

どうして空いているのに
みんな｢その席｣に座らないんだろう？

あ、そうだ。

僕は席を立って、女性がいるはずの席の前に立った。

―――……。

あった。２０個めのピース。

僕は自分の席へ戻った

取られていることはない

だって、僕のいつもの席だから。

席に着く。

｢あの席｣には他の人が座っていた。

別に不思議なことじゃない

僕は気にもとめていなかった。