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“080***…“
携帯番号だった。
私は、すぐにかけてみた。
何回かのコールの後、コール音が切れる。
…無言。
「もしもし」
声をかけてみる。
「…もしもし」
押し殺したような、小さな声。
え?聞き間違いかな?
私には、その小さな声が、男の声に聞こえた。
「もしもし?ヒロ?」
今度ははっきりと、返事が返ってきた。
「そうやけど。」
やっぱりこいつ、男だ。
その時、私の頭の中に
半年間ヒロとやり取りしたメールが思い浮かぶ。
ヒロが女だと思って、けっこうきわどい話しや下ネタなんかも話したっけ。
この偽ヒロは…偽じゃないけど
その文を見て、ニヤニヤ興奮してたんだろうか。
私の全身に鳥肌が立つのが分かった。
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