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イチの部屋をでて長い縁側をペタペタと歩いた。 広い家なのだ。 …イチはお母さんと2人暮しなのかもしれない。お父さんは見かけたことがない。 リビングに着くと、イチは椅子に座りご飯を食べていた。僕のご飯も用意されていた。いつも、お母さんがイチの分と一緒に作ってくれるのだ。 僕専用の食卓の場所へ行き、皿を覗き込んだ。ドックフードが用意されていた。 ……イチと同じ目玉焼きがよかったが、今僕は犬なのである。 斜め前に、イチが僕に背を向けて座っている。 イチが振り返った 『残さずいっぱい食べるんだぞ!』 と僕にいいニコッとした。
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