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今日は雨だ。
イチ、学校から帰ってきたら、何して遊んでくれるのかなぁ…
僕は縁側で丸くなり、雨がシトシト降るようすをガラス越しに見ながら、そんなことを考えていた。
『イチタロウ!お散歩いこうか!?』
今日は仕事が休みらしい。普段、僕はひとりでお留守番している。
僕の返事を待たずに、犬用の雨具を着せられた。
…きっと、これを着せたかったのだろう。
黄色一色だった。
お母さんの傘も黄色一色だった。
過去を思い出していた…
僕も黄色の傘持っていたな。お母さんが買ってくれたものだ。もちろんお揃いだった。
イチが羨ましく思えた。
イチのお母さんの後ろをピチャピチャ歩いた。
紐で繋がっていることが、どうしようもなく寂しかった。
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