0人が本棚に入れています
本棚に追加
…僕は食卓につき食事をしている。
床にではなく、ちゃんと椅子に座っているのだ。
夢の中だ…
後ろを振り返った。
そこに居る動物を「僕」だと言っていいのか?イチタロウが居た。
…?
でも、イチタロウ…すなわち僕は人間の形をしている。
じゃあ、この子は?
それにしても僕にそっくりじゃないか。やっぱり「イチタロウ」なのだ。
イチタロウは、寂しげな顔で僕を見ていた。
今朝、僕もこんな表情だったのだろうか?
気付けば、僕はイチが通っているであろう学校で、イチが勉強をしているであろう教室で、机に向って座っていた。
授業中だった。何の授業かは、よく分からない。
イチの席は、後ろの方の一番窓際だった。ふと外に目をやった。雨がシトシト降っていた。
前日の夢といい、僕は夢の中では「イチ」なのだ…
と思った。
学校はとても楽しかった。言葉だって喋れるし、仲間たちと笑りあえる。
イチとの遊びも楽しいが、それとはまた違うのだ。
……この夢覚めないで。
心の中で願っていた。
最初のコメントを投稿しよう!