イチ

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気付けば僕は、そのうずくまっている犬の前に立っていた。 まだ僕の存在に気付いてないみたいだ。名前は「イチタロウ」というらしい。首輪にそう書かれているが見えた。 不意にイチタロウが顔をあげた。僕の顔をジーッと見ている。そして、ヒョコと立ち上がり僕にシッポを向けて歩いていったんだ。 そのうしろを付いて歩いた。何をしたいのか公園内をぐるぐる歩いているんだ。出口が分からないんだろうか? あ、走りだした!? 僕も慌てて走った。頑張って置いて行かれないように。 追い駆けっこなんて、いつぶりだろう… なんだか楽しかった。 その出会いがきっかけで、僕はイチタロウを飼うことになった。
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