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『緊張してるのかな~』
と言いながら、少年は両手で僕の顔をクシャクシャした。
一瞬固まってしまったのは、そこに立っている女の人
……少年の母親が、
僕のお母さんにそっくりだったんだ。
ゆるいパーマがかかった髪が肩まであり、背はあんまり高くない。
双子!?
…じゃないし。
ただ、偶然似ていた?
僕のお母さんは人間なのだ。
『はい、どうぞ』
少年の母親が、僕の足元にミルクを差し出した。
僕はゆっくりと口を近付けてペロッと舐めた。
『ほら、もっと飲んでいいんだよ。イチタロウ』
少年に言われ、僕は少年の母親の顔をチラチラ見ながら飲んだ。
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