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そもそも、何故こんな不思議な2人暮らし生活が行われているのか。それは英介が初めて解決した難事件に遡る。
警察が何ヶ月も捜索を続けていたソレを、一体どこで嗅ぎ付けたのか現れた英介が、ほんの数時間で解決してしまったのである。
その事を知った警察署の偉い方は、彼の頭の回転の良さを試す為に2つもの難事件を押し付けた。
すると、あれよあれよという間にそれも解決され、警察署内は暫く騒然となっていた。
当時の彼は15歳。その年で難事件を3つも解決したとなれば、マスコミが放っておくわけがない。だが、マスコミは一切それをネタにしなかった。それは何故か。
警察が必死になっていた事件をいとも簡単に解決された事を知られれば、警察の面目は丸つぶれ。これは避けたい事態だ。
しかも英介には、絶対にマスコミにバレたらネタにされること確実のモノがあるのだ。
それは、彼が今まで犯してきた数え切れない程の罪――所謂、前科。
難事件を解決した少年が前科有りとなっては、警察の信用は下へと下って行くだろう。
そこで警察は英介にこう提案した。
『衣食住を提供する代わりに、門川君が解決した事件は警察側の手柄ということにしてくれないか』
断られるかと思っていたが、英介はすんなりとそれを受け入れた。
そして、英介の世話係……もとい、見張り役として警察署の誰か1人との2人暮らしを強要するという条件に、英介は『佐伯さん』の名前を言った。
それから、2人の奇妙な生活が始まったのである。
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