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「明美ね、いつも紗耶香ちゃんと舞ちゃんと裕子ちゃんと一緒にお昼ご飯を食べるの。旧校舎と新校舎の間の中庭で」
真剣に、どこか怯えた目で明美は言葉を続ける。
「でもね、今日は紗耶香ちゃん、朝からいなかったの。クラスがバラバラになっても、休み時間は殆ど4人で集まってお喋りしてたのに」
どこか悲しげに、明美は表情を曇らせる。
「それでね、お昼は来るでしょって3人で言ってたんだけど、やっぱり来ないの。
変だなぁって思って明美、クリームパン食べながらずっと周りを見回してたのよ。もしかしたら後から紗耶香ちゃんが遅れて来るかもしれないって。そしたら……」
そこで明美は何か思い出したのか、また涙をポロポロと零した。
「そしたら?」
英介が言葉を急かした。
必死で涙と格闘しながら、明美は涙ながらに続けて言った。
「そしたら……そしたら紗耶香ちゃんが旧校舎の使われてない部屋にいるのがチラッと見えたの。
見間違いかもしれないって思ったから、お昼を食べてすぐに舞ちゃん達と別れて1人でそこに行って……管理人さんから部屋のカギを借りて開けたら……たら……!」
明美の顔は恐怖と絶望で歪んでいた。血の気が引いた顔を両手で覆う。
ただ事ではない……2人には、嫌な予感が走った。
「そしたら紗耶香ちゃん……浮いてたの!! 部屋の中で……首を吊って動かなかったの!!」
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