始まり

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「僕にはね、そんな優しい心はもう無いかもしれないんです。泣く事や笑う事すら、忘れてしまった……」 まだお酒も飲めない年の若者が何を悟ったようなことを言っているのか。ふと疑問に思いつつも、彼は罪人の言葉を待つ。 「でも、そんな僕にも出来る事が見つかったんです。そう、普通の人では難しい事も、僕になら出来る」 彼の頭にクエスチョンマークがいくつか浮かんだ。 普通の人では難しいけれど、この少年には出来る事? 何が何だか、平々凡々な彼には分からなかった。
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