代表決定戦に向けて

4/7
前へ
/712ページ
次へ
「大体エルティスには何もしてねーよ多分。ただ、一回地上で聞いた身分の高い女性への挨拶をした位しか記憶ねぇし。あの挨拶以降俺を追い回すような気がするだけで……」  どさくさ紛れに生徒会長を呼び捨てにするエルアルト。  エルアルトは、本来全く身分に囚われない人物なのだが、最低限人前ではそれなりの対応をしており(つもりだが)、こう言った雑談では呼び捨てにしたりしている事が多い。  ライアンも適当に誤魔化した質問に答えるとは思わなかったのか、少し驚いていた。 「地上での挨拶? そう言えばお前地上出身だったな」  エルアルトが地上出身と言っても、物心がついてから比較的に早くこちら側、つまりこの国に来たので、地上に詳しい訳ではない。  その時点でライアンは嫌な予感はしたが、やはり人間の欲望には勝てず、その事を聞いたらエルアルトは当たり前のように話し出した。  入学式の次の日にそれは起きたんだ。  俺も正直目を疑ったぜ、余裕を持って学校に向かった筈なのに…… 「何で俺の家の前?」  「馬鹿だろお前」と、現実世界ではライアンはツッコミを入れた。  じゃあ回想に戻るぜ。んで、時間もヤバくて学校に強化魔法使ってダッシュしたら、何とか間に合ったんだけどな…… 「……集合場所って何処だ?」  「もう馬鹿なのは十分分かったから話続けろ」と、ツッコミは入れたが、理解出来ない彼の思考にライアンは頭痛を覚えた。
/712ページ

最初のコメントを投稿しよう!

799人が本棚に入れています
本棚に追加