代表決定戦に向けて

2/7
前へ
/712ページ
次へ
 ジハードでは、毎年入学式を行った1ヶ月の最終日近くに行われる実力を測る意味を込めて練習試合が行われ、優勝候補の1人であるエルティス等の名門出身者は最終試合まで残るのが最低条件となる程大切な試合である。  優勝者は、天地大会という地上で行われる大規模な大会の出場権が得られ、最終的にこの試合で血の質が問われるのだ。  なので本来は、エルティスもエルアルトを追いかけ回す暇は無いのだが、妙に真面目な為、エルアルトの態度が気に食わない他、何か私情の恨みがあるらしい。  ルールは各クラスで様々だが、大抵はトーナメント形式の場合が多く、急所攻撃等のルール違反が禁止で、後は何でもアリのルールで、更に代表2人が最終試合に出場し、他にも各クラスの上位2人を含め、トーナメントをして更に割り切った残りの人物で総当たり戦をするので、かなりの実力が問われる事になる。 「強い奴と戦えるのは良いけど面倒なルールだな全く」  エルアルトは強い人物との戦いを好んでおり、楽しみにはしているが、優勝までのトーナメント形式が何となく分かりにくく、ライアンに愚痴っていた。 「ルール自体は簡単だろ。だがトーナメントはな……ってか優勝する気でいんのお前?」 「当然だろ。負けたら男が廃るぜ」 「まあ無理は言わんが無理だろ。俺達には……」  ライアンは俺達の部分を強調し、一瞬何か物悲しい顔を見せた。
/712ページ

最初のコメントを投稿しよう!

799人が本棚に入れています
本棚に追加