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今は窓からは外の真っ暗闇しか見えない。でも確かに一瞬見えた……白い影…まるで……人間の顔のような……見てたの?私達を外から……まさか……一点張りで固まった私の顔を覗き込むようにハルが声をかける。
「お~い、どうした?ラピス?」
私は運転手のチャックに必死に言った。
「…ねぇ‼引き返しましょう⁉」
チャックは隣の私を見てきょとんとする。
「え?何で?」
変だと思ってるのは私だけ?何か変……絶対に幻覚とかじゃない。私はハルとグラップにも必死になって言った。
「ハルも、グラップも引き返しましょう⁉何か変よ‼」
ハルは怯えている私を滑稽に思っているかのようにクスクス笑う。
「フフフ…大丈夫よ。何?幽霊でも見ちゃったの?」
私はムッとして口を開いた。
「……私‼」
私は言葉を止めた…。見たありのままを言おうと思ったが、言いかけてそれ以上怖くて口に出せなかった。思い出しただけでも怖い…。
するとグラップもそんな怖がってる私をからかうように不気味な声で言った。
「ヘッヘッへ……帰さないぞ~……」
そんな不気味な声で私に顔を近づけるグラップ。私はビクッとした。
「ひぃ‼‼」
ハルは怯えて変な声が出てしまった私を腹を抱えてバカ笑いする。
「アハハハハハ‼何その声‼」
グラップも腹を抱えて足をバタつかせながらバカ笑いをした。
「ギャハハハハ‼ラピスちゃん面白いね~‼‼」
笑い事じゃないのに…私はバカにされて頭に来た。
「もう‼‼」
そしてハルとチャックを怒鳴ろうとしたが、チャックがいきなり正面の闇を見つめてハッとした。
「え⁉」
チャックはブレーキを踏んで止まった。
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