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グラップとハルは姿が見えなくなった。
私は怖いし、二人について行けずに動けなかった。
そんな怯えている私に横にいるチャックが照れながら笑顔で手を差し伸べた。
「い、一緒に行こうか?」
私と話す時恥ずかしめるチャック。彼は遊びに行く時いつもこんな風に周りに流されているのだろう。自分の意見とかないのかな?そう考えると自己主張しないこのオドオド君に、私はだんだん腹が立って来た。私はジト~っとチャックを睨んだ。そしてムスッとしながら一人グラップとハルの後を追って歩いて行った。
チャックはそんな不機嫌な私の後を慌てて追いかける。
「ま…待ってよ~」
そして私達4人は城の門の扉の前に立った。扉は閉まっており、城壁はカビや、沢山の植物のツタが寄生する。グラップは城壁を触りながらその年季に関心する。
「ほぉ~、コイツはスゲーな。中世の貴族が建てた城だろうけどよ。こんなに立派な城がこんな所で人知れず残っているのがスゲー…」
ハルはもどかしいらしく、ワクワクさせる。
「ねぇ、早く入りましょうよ‼」
怖い私はハルに言った。
「も、もう充分じゃない?入り口は閉まってるし…入れないわよ」
グラップは扉をゆっくり押した。扉は鍵も何もされておらずゴオンと音を立てて、開いた。グラップはニカッと笑いながら私に振り向いた。
「4名様ご案内だってよ」
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