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何百年も経ってるのに、そんな簡単に扉が開くことがおかしい気がする。だって何百年もだよ?扉のヒンジなんか見るからに錆びて腐ってるのに、こんなに力入れずに開くこと自体がおかしい…。例え錆びぬき油を塗ってもこんなにスムーズに動くわけない。誰もそこを疑問には思わないのかな?
…扉の向こう…城の内部は外より闇である。全く何も見えない。そして、扉の向こうからひんやりとした涼しい風が吹いている。外から城の中に入るのに、中から風が吹くなんて変…。
その扉の向こうの闇を見つめてチャックは言った。
「真っ暗で何も見えないね…」
私は固唾を飲んだ。そしてハルの腕にしがみつく。
「うう…真っ暗だよ…やっぱり止めよ?」
ハルは女の子なのに、まるでハルが頼れる彼氏であるようにしがみついた。もちろん別にそんなつもりじゃないけど、やっぱり怖いから…誰かにしがみついてないと泣き出しそう。でもグラップやチャックにしがみついたりしたくはないし…。こんな時に頼れる彼氏でも居たらちょっと安心したりもするのかな…抱きついたりしてさ…。
…って現実逃避してる場合じゃないね…。
グラップはニヤニヤ笑いながら履いているジーンズのポケットに手を入れた。
「ヘッヘッへ…俺をナメるなよ?」
そして小型のボールペンぐらいのサイズのペンライトを3本出した。
「じゃ~ん‼」
何でこんな準備がいいの?ハルは笑顔ではしゃぐ。
「おお‼流石ね‼」
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