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私はチャックの背後にいる5人目の人影をじっと見つめた。人影は微動だにしない。
人影の前にはチャックが立っている。私はチャックと目が合ってしまった。チャックは恥ずかしめ、目を反らした。何かその反応に私も顔を赤らめ、思わずチャックに怒鳴りつけた。
「べ、別に貴方を見たんじゃないんだからね‼」
そして再びチャックの背後を見たが、人影は消えていた。チャックに気を取られている間にいつの間にか消えていた。
また私はきょとんとなっていた。
「あれ?」
激しい雨音が響く中呆然としている私にグラップが声をかけた。
「どうした?ラピスちゃん?」
目の前のハルはニヤニヤしながら横目で私を見つめた。
「何?もう幽霊見ちゃった?」
私はハルに怒鳴った。
「ち、違うわよ‼“アレ”は幽霊なんかじゃないわよ‼」
ハルはきょとんとなる。
「“アレ”って?」
私は何かわけがわからなくなって一人ズンズンと上に続く長い階段を登り出した。
「な、何でもないわよ‼‼」
グラップとハルはそんな私の態度を見て顔を合わせる。グラップはきょとんとした表情で言った。
「何だあ~?ラピスちゃん急にやる気になってやがるな」
ハルもきょとんとした表情で言った。
「…うん、あんなに怖がってたのにね」
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