…Ghost…

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う~ん、我ながらおかしい…。あんなに怖がって嫌々この城に来たのに、その私が進んで探索をしたがってるなんて…。   みんな呆れているのか、私の変な頼みにお互いに顔を見合っている。     …そして私達は城の更に奥に入り込んだ。天井の高い一本の長い廊下が続く。ハルとチャックと私のペンライトと、グラップの燭台の灯りで先に進む。レトロ風な、いかにも中世の城にある縦長い窓ガラスには、打たれた雨が滝のように流れている。場所によって雨漏りをしているのか「ピチャン…ピチャン…」と水滴が高い所から床に打ち付ける音が響き渡る。「ヒュ~」と風の抜ける音が、まるで人の囁き声にも聞こえて何とも気味が悪い…。 何故こんな気味の悪い所を私は探索しようなんて思ったのか、私にもわかんないけど、あの子が気になって仕方ない。   私達4人が長い廊下を歩いている時である。再び外からカメラのフラッシュのような眩しい輝きで城の中が一瞬明るく照らされる。 そして「ドオン‼」と大きな雷が響く。   ハルは歩きながら窓から滝のように流れる雨滴を見つめる。   「…今日は雨降るとは言ってたけど、こんなに嵐になるなんて言ってなかったわよね」   グラップは燭台で通路の奥をしかめ面で照らしながら進んでいる。   「天気予報は大きく外れやがったなぁ…明日親父が牧草刈りやるなんて言ってたけどよ、こんな天候じゃ明日もトラクターを畑に入れられねぇよ…」
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