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陽が落ちるのが少し早くなり、夜には虫の鳴き声が聞こえるようになった。
それでもまだ残暑は厳しく、その日帰宅時間がたまたま同じになった祐輔に、飲もうと誘われ居酒屋に来た。
「おー疲れっ」
いつもの言葉で乾杯すると、後ろの座席の団体がやけに騒がしい。
「若いっていいね~って……えっ?」
後ろを見た祐輔がいきなり固まった。
「ん?なになに、どーした?」
後ろを振り返った俺の目に写ったのは、酔ってニヤニヤ笑う男に向き合い、肩に両手を置かれている、葵ちゃんだった。
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