883人が本棚に入れています
本棚に追加
/984ページ
俺が公園に行くために通っているいつもの道を歩いていると、
珍しく人とすれ違った。
そいつは金髪の…
いかにもチャラそうな男で、
耳にはピアス、
そして右だけ長い前髪で右目を隠していた。
…めったに人なんて通らないのに…と思いつつ、何事もなくすれ違う。
一瞬だけ目をやると、
そいつは手に小銭を握っていた。
…多分、自販機にジュースでも買いに行くんだろう。
自販機はここらに無いから、5分くらい歩かないと飲み物は買えない。
まったく…不便なところだよな。
貴「…ハァ~…。」
しばらく歩いて、やっと公園についた。
俺は今日2回目の溜め息をつきながらベンチに腰掛ける。
またいつものように、ボーっと空を眺め始めた。
…けど、それもつかの間。
俺がいい気分に浸っていたら、突然近くで怒鳴り声が聞こえてきた。
声のする方を見ると、
緩くパーマがかかった、
栗色のふんわり髪をした色白の青年が立っていた。
…その周りにはヤンキーが3人。
「兄ちゃ~ん。お金出そうよぉ~。」
「出さないと…やっちゃうよ…?」
1人がその子の襟首を掴む
.
最初のコメントを投稿しよう!