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バンッ
「ハル君!!」
私は勢い良く扉を開け叫んだ。
目の前に広がる光景は……凄まじかった。
ハル君の上には鋭い刃物。
身体中に鎖を巻き付けられていて身動きは取れないようになっている。
今、私の大好きな人が首を切られようとしている。
嫌だ……嫌だ。
私がハル君を助ける!!
「お父さん!!今すぐハル君を離して!!」
『リリィ……何度言ったら解るんじゃ。お前の気持ちは同情に過ぎん』
は?ふざけるんじゃないわよ。
「何とでも言えば良いわ!!」
『……っ!?』
「ハル君を今すぐ離しなさい。私がハル君の身代わりになる!!」
『お、お嬢様!?』
『お、お前……』
私に悔いなどない。
もう、死んでも構わない。
『り、リリィ……』
「ハル君……」
さっきまでグッタリしてたハル君は必死で体を反らしながら、弱々しい声で話し掛けて来た。
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