全てが無

1/1
前へ
/10ページ
次へ

全てが無

俺は、白でも黒でも、 透明でもない。 ただ、 根底から覆す儚さと 言葉にならない歯痒さに尽きる。 浮かべた瞬間に消え去っていく。 ただの「逃げ」でしかない。 そうかもしれない。 ただ、 全てが終わりいく現実と 既にある事の無意味さに尽きる。 それが貴方たちにとって どれだけ無意味なことかも分かる。 辿り着くことのない言葉が 風に消える。 永遠に存在する有と 一瞬も存在しない無に のみ込まれ。 辿り着くことのない俺が 死に混ざる。 無限に存在する有と 一カケラも存在しない無を 掴めないまま。 全てが俺という存在でも、 俺が生まれていなかったとしても。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加