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春風は携帯を取り出す。
答えが出ない以上、誰かに聞くしかない。
『春風、何かあったのか!?』
「いえ、何もな…くないっスけど何か面倒臭い事になりまして。…勇次さん、一つ聞かせて下さい。」
『何だ?』
春風は息を吸い込む。
「邪魔な物がある時、未来の私はそれを壊しましたか?」
『どういう意味…『藍沢さん、聞こえる?』
いきなり高杉が電話を代わる。
「聞こえますけど…。」
『藍沢さん、僕達に聞いても君自身の答えは出ないよ。
僕達が答えた時点でそれは藍沢さん自身の答えじゃないから。言ってる事解るかな?』
「…なんとなくは。」
『だから自分で見付けてごらん。』
「答えが出ないから聞いてるんですけど。」
『大丈夫。きっと見付かるよ。』
「…。」
目を閉じてみて。
自分の心を探して。
真っ暗な闇の中に鍵の掛かった箱があるでしょう?
箱は開かないかもしれない。
開くかもしれない。
開けない方がいいかもしれない。
けど、君の答えはきっとその中にあるから。
僕の好きな君も、きっとその中にいるから。
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